SSブログ

加計学園獣医学部新設、安倍総理「首相のご意向」反映問題、衆院予算委員会閉会中審査 ー閑話休題 (1) [日本の未来、経済、社会、法律]

 2017年(平成29年)7月24日、加計学園の獣医学部新設問題の衆院閉会中審査がテレビで中継されています。主に民進党の議員が安倍首相の「ご意向」が新設に当たり影響したのではないかとの点について安倍首相に質しています。
     
     この問題はこれまで長い時間をかけて繰り返し議論されていますが、意向が働いたとも働かないともはっきりとした結論の出ないまま本日(2017年7月24日)もいわば「灰色の展開」が続いています。
     
     この問題に黒白をつけるには、議論が「政治家の倫理」ではなく「首相の行為の法令違反に係る違法性」の有無をめぐってのものであることを与野党間で確認し、その進め方については次のステップを踏むべきではないでしょうか。第一は、議論の根拠となる「証拠」を確定させることです。様々な証拠について「証拠能力」があると認められるためには、その証拠についての「反対尋問cross examination」を経ていることが必要です。具体的には、様々に存在している書類について、文科省に残っている書類について相応する書類(同一ないし類似文書)が内閣府においても存在しているもののみが「証拠能力」を獲得することができるということになるでしょう。一方においてしか存在しない書類はその内容について相手方の「認知・承認」を得ていない(cross examinationを経ていない)、証拠価値の低い単なる参考資料にとどまるものということになります。
 
 第二に、安倍首相の「ご意向」が加計学園獣医学部新設に働いたと言いうるには、国家戦略特区諮問会議に同学部新設案が上程され、議論が行われて、最後に承認されたという一連のプロセスが明らかにされる必要がありましょう。安倍首相の意向が働いたというためには、同諮問会議の民間から選出された委員を含む委員間の議論と決定のプロセスに首相の意向が反映されたことの具体的証明がなされること(首相の委員に対する個別的依頼を示す第三者の証言など)が必要です。特に、専門性・第三者性を期待されて民間から選出された委員が首相の意向に沿い、委員としての職権行使における自由・自主性を持った議論をなしえなかったことの個別具体的な立証が必要となりましょう。
 
 この問題に興味を持ちつつも、現在の日本国には国家・国民の安全保障と日本経済の再活性化のための総合戦略の立案という喫緊の課題があることを考えますと、国会審議のエネルギーの向けどころが違うのではないかとの違和感を禁じえません。 加計問題を上記の点の検討を中心として早急に処理し、違法行為の疑いがあるなら問題を司直の手にゆだねることが必要でしょう。そして、衆参両院のエネルギーを日本国の国益に係る問題に注力していただくことを願わずにはいられません。


共通テーマ:ニュース

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。