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サッカーワールドカップ日本ベルギー戦を垣間見てー閑話休題(2) [日本の未来、経済、社会、法律]

  201873日、サッカーワールドカップ日本ベルギー戦を少しだけテレビの生中継で見ました。3日日本時間午前三時スタートの深夜の試合で見る予定はありませんでしたが、たまたま4時頃に起きてきたときテレビのスイッチを入れましたら、後半中途で乾選手が鮮やかなシュートで二点目を入れる場面でした。

 

しばらく見ておりますと、日本側がベルギー選手の持つボールをすぐ奪い返す場面が多く、日本側がボールをほとんど支配しているようにみえました。乾選手のシュートで二点目が決まった時のベルギー選手たちの表情はみなお通夜か、半泣きのようにみえました。なかなかやるジャンと思いつつ見ておりますと、後半の半ば過ぎにベルギー選手のヘディングでの緩い球が入り、一点返されました。この辺りから、ボールの支配権がベルギー側にあることが多くなったようにみえました。やがて二点目も入れられ同点となりました。

 

これは逆転されるなと思いつつテレビのスイッチを切って寝てしまいましたが、結果は終盤際にベルギーが3点目をとり、日本は「逆転惜敗」(朝のニュース)となりました。

 

日本―ベルギー戦の感想として、なによりも、日本選手がベルギー選手の持つボールを再三に亘り奪う場面は見事で、この状態を維持できれば、日本側に勝機は十分あった試合だったように思われます。この状態が途切れたようにみえたのは日本選手たちのスタミナ切れだったのではないでしょうか。90分という長丁場の試合では、最後はやはり体力勝負なのかなと思います。この点の克服策は簡単ではないと思いますが、できるだけ早めの選手交代も策になりうるでしょう。体力を維持できてもスキルがなくては勝てませんから、結局最終的には選手層の厚みの問題ということになるのかもしれません。ベルギーはこの辺りが、そのサッカーの歴史的経験の長さや多様なバックグランドを持った選手の取り揃えなど日本よりある意味で、つまり勝つためにはあらゆる手段をとることに躊躇しないといったほどの意味ですが、優れていたのかとも思われます。

 

 上記で日本側のスタミナ切れと書きましたが、試合後の選手のインタビュウで、2点獲得後3点目を目指して遮二無二突き進むか守備中心で行くか岐路があり、決然として前者で行くとは必ずしもならなかったかも知れない風の話があったと伝えられていました。そのような戦術的岐路が自覚されていたとしますと、あるいはほんの少しの背水の陣にかかる緊張の緩和が日本選手にあり、それがボール支配の変化と関連したかも知れないと思いました。スタミナ切れと戦術的迷いの隙を「赤い悪魔たち」に突かれたということになるのでしょうか。日本の戦術としてはこの場合、手負いの赤い悪魔たちが死に物狂いで打ちかかって来ることは自明のことですから、2点取った時点で気を緩めず2人(出来れば3人)の選手交替を行い、攻撃は最大の防御よろしくボール支配を実現し、だめ押しの3点目、4点目を狙って猛攻に打って出るべきだったように思えます。

 

ともあれサッカーワールドカップロシア大会(2018年)でのベスト8を賭けた日本の挑戦は終わりました。一言で言えば、善戦したということになるでしょう。先立つグループリーグ三戦目の対ポーランド戦最終8分の「無気力試合」には会場からブーイングが起こり、試合後にも「ルールに従った戦術的対応」であるにもかかわらず、さまざまに批判もありました。この点第一に、積極的に戦わなかったという点の批判については、ポーランドチームも一点先取で試合に勝てるところから「無気力」に対応した点にも同様の評価があってしかるべきだったでしょう。日本側にだけ批判が向けられた気味がありました。第二に、日本チームは、持ち点が同点の場合警告数の多寡でベスト16へ進むチームを決めるというルールの下で、警告数を増やさない戦術を西野監督がとったという点の批判については、「正面ガチンコ勝負」が「日本的対応」という日本人の精神構造があるとはいえ、警告数が少ないことは「日本的対応」の結果でもあり、それを基準とするルールに従った戦術をとるというのはあながち咎められることではなかったと思われます。

 

 小学生の時の体育の授業で、背が高いという理由だけでゴールキーパーを命じられたという経験しかない小生にとり、サッカーは野球やテニスのように親近感のあるスポーツではありませんが、いつの頃かプロのリーグが出来、それから数十年を経てワールドカップで準々決勝をめざすまで勝ち進むというのには今昔の感があります。いつの日か、体操、スケートなど世界的名声を獲得した種目についで、「日本的サッカー」を引っ提げて欧州の強豪チームと肩を並べる日の来ることを願わずにはいられませんこの点で思い出されるのは2008年に一年間ドイツのボンに滞在した時の思い出です。この年のサッカーヨーロッパ選手権を毎晩夜8時にテレビの前に陣取ってビール片手に観戦しました。トルコチームを含めて全チーム、これぞサッカーと思われるほどキレのある息も継がせぬ試合運びで、この期間毎試合が楽しみでした。結局全試合を観たのですが、サッカー専門のスポーツ雑誌を買ってきて付録で付いているスコアー表に毎晩各チームの成績を書き入れておりました。正直言いまして、ドイツの国内戦(Bundesliga)は冗長な試合も多くさして面白くありませんが、国対抗戦はさすがだと思わずにはいられません。

 

 一点、今回わずかの時間でしたが試合を見ていて気になったのは、ベルギー選手との接触もないのに一方的に日本選手にファールをとった審判のジャッジでした。日本選手も抗議の身振りでしたが、映像があるのにこのようなミスジャッジを平然と行う審判については、今回大会全試合を通じた審判の実態の検証があってしかるべきかと思いました。

 

 



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